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アメリカ人事 | トランプ政権の反DEI政策に対する新たな訴訟:企業が知るべきポイント

 

トランプ政権の反DEI政策に対する新たな訴訟:企業が知るべきポイント

2025年2月5日、トランプ政権が推進するDEI(多様性、公平性、包括性、アクセシビリティ)政策の撤廃に対して、新たな訴訟が提起された。この訴訟では、政権の一連の行動が憲法違反であると主張し、「連邦資金の喪失やその他の執行措置を脅しに用いて、異論を封じ込めることは許されない」と訴えている。

背景

トランプ政権は発足直後から、政府機関や民間企業におけるDEI施策を強く規制しようとする動きを見せている。具体的には以下のような施策が実施された。

  • 連邦機関に対し、「違法な」DEIプログラムを取り締まるよう指示し、連邦政府の契約業者に対するアファーマティブ・アクションやDEI関連基準を撤廃
  • DEIに強く反対するアンドレア・ルーカス氏をEEOC(雇用機会均等委員会)の委員長代理に任命し、民主党系委員2名を排除
  • 「違法なDEI」の明確な定義を示さず、単なる反差別法の強化を超えた広範な制限を目指している

訴訟の概要

原告

今回の訴訟の原告は、高等教育におけるダイバーシティ担当者協会(National Association of Diversity Officers in Higher Education)、米国大学教授協会(American Association of University Professors)、レストラン・オポチュニティ・センター・ユナイテッド(Restaurant Opportunities Centers United)、およびボルチモア市長・市議会など多岐にわたる。

被告

被告にはトランプ大統領のほか、労働省、教育省などの複数の連邦機関および政府関係者が含まれる。

問題とされる大統領令
  • 2025年1月20日発令:大統領令14151「政府の急進的DEIプログラムと優遇措置の終了」
  • 2025年1月21日発令:大統領令14173「違法な差別の終了と実力主義機会の回復」
主張のポイント

原告は、DEIA(多様性、公平性、包括性、アクセシビリティ)の原則が、学生支援、学術研究、労働者支援、市民サービスに不可欠であると主張している。そして、

  • 大統領令14173のセクション4(民間企業への影響)とセクション3(連邦契約業者への影響)は、憲法修正第1条に違反しており、特定の言論を制限することで違憲
  • 「違法なDEIA」や「DEIA政策」などの用語が定義されておらず、違法性の基準が不明確であり、適正手続きの保障に反する
  • 連邦政府の資金支出に関する条件付けは、議会の権限に属するものであり、大統領が単独で決定することは違憲

原告側は、裁判所に対し、これらの大統領令を違憲と判断し、その執行を一時的および恒久的に差し止めるよう求めている。

企業にとっての影響

この訴訟の行方によっては、大統領令14151および14173の執行が停止される可能性がある。現在の不透明な状況の中で、企業は以下の対応を検討すべきである。

  • DEIプログラムが反差別法(Title VIIなど)に準拠しているか確認する
  • 大統領令による影響がある場合、弁護士と相談し対応策を講じる
  • 今後の判決や法的解釈に注視し、必要に応じて社内ポリシーを見直す

DEIプログラム自体は本質的に違法ではなく、適切な法的枠組みのもとで継続可能である。企業は慎重に状況を見極め、適法な形でDEI施策を維持していく必要がある。

出所:
https://www.fisherphillips.com/en/news-insights/new-lawsuit-takes-on-trumps-anti-dei-actions-what-employers-need-to-know.html

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写真の出所:
UnsplashLibrary of Congressが撮影した写真

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