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アメリカ人事 | EEOC 日本人優遇により約2億円の罰金課す

 アメリカ人事 | EEOC 日本人優遇により約2億円の罰金課す

グアムにある大手ホテル・リゾート「レオパレスリゾート」は、アメリカ出身の労働者を含む非日本人従業員に対して、日本人従業員と同等または下位の職位にあるにもかかわらず、賃金、福利厚生、雇用条件を不利に提供していたとする疑いで、140万ドル以上(約2億円)を支払うことで和解に合意したと、アメリカ合衆国雇用機会均等委員会(EEOC)が発表しました。

背景と経緯

  • 訴訟内容: EEOCは、レオパレスリゾートが1964年の「公民権法 タイトルVII」に違反したと主張しています。この法律は、国籍に基づく雇用差別を禁止しており、アメリカ出身者を含む非日本人従業員が、日本人従業員と比べて賃金や福利厚生で不利な扱いを受けていたとされています。
  • 和解の内容: 和解の一環として、レオパレスリゾートは以下の措置を講じます:
    • 外部モニターの雇用:コンプライアンス(法令遵守)や従業員への研修を監視するための外部監査人を雇用。
    • ポリシーと手続きの見直し:差別を防止するための社内ルールの見直し。
    • EEOC向けの監査実施:雇用慣行に関する監査を行い、EEOCに報告。
    • 元従業員の再雇用の可能性:不当な扱いを受けた元従業員の再雇用の可能性を検討。

EEOCの動向と今後の方針

  • EEOCの体制変更:

    • トランプ前大統領が就任後、EEOCの委員長や委員、法務顧問を解任し、体制が刷新されました。
    • 新たにアンドレア・ルーカス氏がEEOCの暫定委員長に就任しました(2020年から委員を務め、2021年1月に暫定委員長に任命)。
  • EEOCの方針:

    • ルーカス氏は、反米差別(反アメリカ人差別)に対する取り締まりを強化する方針を表明しています。
    • 「国籍に基づく差別は禁止」:
      • アメリカの法律では、通常、企業が「アメリカ人労働者を優先する」ことを禁じていますが、「非アメリカ人労働者を優先し、アメリカ人を不利に扱うこと」も同様に禁止されています。
    • 移民関連の警告:
      • 不法な移民優遇やアメリカ人労働者に対する差別がある場合は、EEOCが厳しく取り締まると警告しています。
  • 今後の取り組み:

    • 「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)に基づく人種・性差別の排除」を掲げ、誤った多様性推進による差別を是正する方針。
    • 「性の二元性と関連する権利の擁護」を強調し、性別に関する権利問題にも取り組むとしています。

ポイントのまとめ

  • レオパレスリゾートは、非日本人従業員に対して差別的な賃金・待遇を行っていたとの疑いで、EEOCと和解。
  • 国籍に基づく差別はアメリカの法律(公民権法 タイトルVII)で禁止されており、アメリカ人を不利に扱うことも違法
  • 新EEOC委員長の方針により、反米差別の取り締まりが今後強化される見通し。

このケースは、アメリカにおける雇用差別の取り締まり方針の転換点となる可能性があり、特に国籍に基づく差別に対する規制が厳格化される兆しを示しています。
▼出所:
https://www.hrdive.com/news/employers-on-notice-eeoc-anti-american-bias/740373/?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=Newsletter%20Weekly%20Roundup:%20HR%20Dive:%20Daily%20Dive%2002-22-2025&utm_term=HR%20Dive%20Weekender

 

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#アメリカ人事 #アメリカ #人事 #HR 

 

▼写真の出所

https://unsplash.com/ja/@gettyimages

 

 

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