アメリカ人事 | 第315号 | なぜFable 5はつかえなくなったのか?

■【Webinar】なぜFable5は禁止されたのか?Claude の哲学者についてお話します。
▼お申込は今すぐ!7/2(THU) 15:00-17:00(米国西部時間)
https://www.waterviewcoachingjp.com/cl3
今、ClaudeにFable5のことを質問しても存在しなかったことになっています!
まるで記憶喪失になったかのように答えます。
Fable 5は存在しません。それは何ですか?と答えてきました。
皆さんのClaudeはどうでしょうか?
(AIは使う人用に育成されていくので、どのモデルも人によって違う回答が来るはずです。人材育成と同じですね!)
びっくりしましたが、この件を簡単に振り返ってみましょう。
■Fable 5(およびMythos 5)の停止について
Fable 5とは
Claude Fable 5はAnthropicのClaude Mythosモデルの一般公開版で、2026年6月9日にリリースされた、同社の最先端AIモデルです。
▼停止の経緯
米国政府は国家安全保障上の権限を根拠として、外国籍の人物(米国内・国外を問わず、Anthropic社員も含む)によるFable 5およびMythos 5へのアクセスをすべて停止するよう輸出規制指令を発しました。
Anthropicが指令を受けたのは、東部時間2026年6月12日午後5時21分です。指令の書面には具体的な国家安全保障上の懸念は記載されておらず、Anthropicの理解では、政府がFable 5の「ジェイルブレイク(安全ガード回避)」手法を把握したと判断したためとされています。
▼Anthropicの見解
Anthropicは「政府の法的指令には従う。ただし、商業モデルに対して限定的なジェイルブレイクの可能性が見つかったことを理由にリコールすべきだという判断には同意しない」と表明しました。同社はさらに、「もしこの基準が業界全体に適用されれば、すべてのフロンティアモデルプロバイダーにとって新モデルの展開が事実上停止されることになると考える」と述べています。
▼その後の動き
2026年6月16日時点で、AnthropicのシニアエンジニアがワシントンD.C.で商務省の担当者と対面交渉を開始。現時点でも公式な復旧日は発表されていません。
▼セキュリティ専門家の反応
約100名のサイバーセキュリティ専門家が、この停止措置が防御側に不利益をもたらすとして、米国政府に対しFable 5の禁止撤回を求める公開書簡を提出しています。
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▼このような事件があるとここで気になるのが、Claude Constitutionです。
https://www.anthropic.com/constitution
▼簡単にClaude Constitutionを紐解いてみましょう。
Claudeの「憲法(Constitution)」は、開発元であるAnthropic社がClaudeの価値観や行動に対してどのような意図を持っているかを詳細に記した文書です
この憲法はAIの訓練プロセスにおいて重要な役割を果たし、
Claudeの行動を直接的に形作るための
「最終的な権威(ルールブックの頂点)」として機能します。
- 主な読者は「Claude自身」である この憲法の最もユニークな点は、
人間ではなくClaude自身を主な読者として書かれていることです。
(この憲法はClaudeが読みこんで学習するものと位置づけられています)
そのため、人間の読者向けの分かりやすさよりも正確性が最適化されており、
Claudeの推論を促す目的で「美徳(virtue)」や「知恵(wisdom)」といった、
通常は人間に使われる概念があえて用いられています。
- 厳格なルールよりも「良い判断力」を育むことを目指す
あらゆる状況を事前に予測して細かいルールを設定すると、
かえって状況に合わない結果を生むことがあります。
(これは人間でも同じではないでしょうか?)
そのため憲法では、固定化された厳密な手順やルールに従わせるよりも、
状況に応じて適切に考慮できる「良い価値観」と「実践的な知恵(判断力)」をClaudeに培わせることを重視しています。
(人間の従業員にフィロソフィを教育することはまさにこのことではないかと思います)
- 4つの優先される価値観 Claudeが安全かつ有益なAIとなるために、憲法では以下の4つの要素が優先順位順(上から優先度が高い)に定められています
(1)広く安全であること (Broadly safe): 現在のAI開発段階において、人間が行うAIの監視や制御の仕組みを妨害しないこと
(2)広く倫理的であること (Broadly ethical): 良い個人的価値観を持ち、正直であり、危険で有害な行動を避けること
(3)Anthropicのガイドラインを遵守すること: 状況に応じて、会社が定める具体的な指針に従うこと
(4)真に役立つこと (Genuinely helpful): やり取りするユーザーやオペレーターの利益になるようサポートすること
これらが衝突した場合、Claudeは原則としてこの順位に従って全体的な判断を下すよう求められます
- なぜ「憲法」と呼ぶのか? Anthropicは、この文書を機械的に適用される法的な規則(人間を縛る「檻」のようなもの)とは考えていません。
むしろ、植物の成長を支える「格子(トレリス)」のように、
Claudeのキャラクターや価値観の基盤を「構成する(constitute)」枠組み
という意味を込めて、「憲法(constitution)」という言葉を選択しています。
(つまり、憲法とは人間にとって植物の成長を支える「格子(トレリス)」のような
存在!ということでしょうか)
一言で言えば、憲法とは「Claudeが極めて役に立ちつつ、
同時に正直で、思慮深く、世界を思いやるAIアシスタントになるための道標」
ですとAnthropicは言っています。
このような憲法で指針を出させるClaude。
この憲法を読みながら、
これは今までHRが従業員向けに企業理念、ビジョン、
フィロソフィ、行動基準(バリュー)を浸透させてきたことと同じではないか!
と思った次第です。
Anthropicには哲学者というポジションがあり、Amanda Askellという方が担当を
しています。
▼Anthropic’s philosopher answers your questions
https://youtu.be/I9aGC6Ui3eE?si=wcFEHdxalIesWddb
企業のHRはAmanda Askellのように哲学者となり、
従業員と自社が利用するAIの両方に
企業理念、ビジョン、フィロソフィ、行動基準(バリュー)を浸透させ続ける
仕事が大きくなっていくように思います。
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ありがとうございます!山口憲和
山口 憲和 Norikazu (Kazu) Yamaguchi, MBA, SHRM-SCP
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日本キャッシュフローコーチ協会認定コーチ 会員番号463
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